
初詣や神社の参拝で何気なく引いたおみくじ。そこに書かれている「争事(あらそいごと)」という項目を目にしたとき、ドキッとしたことはありませんか?
「争事」という強い言葉に加えて、もしそこに「負ける」「悪い」「叶わず」なんて書かれていたら、「これから誰かと喧嘩になるの?」「裁判沙汰に巻き込まれるんじゃ…」と、不安な想像が膨らんでしまうのも無理はありません。
でも、どうか安心してください。おみくじに記された言葉は、確定した未来を告げる予言ではなく、私たちがより良く、より平穏に生きるための「神様・仏様からの優しいアドバイス」なんです。
時代が変われば言葉の解釈も変わります。現代の私たちの生活に合わせれば、裁判や喧嘩といった大げさなものだけでなく、スポーツの試合やビジネスでの競争、さらには自分自身との戦いなど、もっと広い意味で捉えることができるんですよ。

この記事では、おみくじの「争事」が持つ本来の意味や、現代風の読み解き方、そして「勝つ・負ける・凶」といった結果が出たときの心の持ち方について、私、紗月の視点で分かりやすく紐解いていきます。
不安な気持ちを少しでも軽くして、明日への一歩を踏み出すヒントにしていただけたら嬉しいです。
記事のポイント
おみくじの争事とは?意味と範囲

まずは、「争事」という言葉が具体的に何を指しているのか、その基本的な意味と適用される範囲について、じっくりと見ていきましょう。
言葉の響きだけを聞くと、なんだかとても怖いイメージがあるかもしれません。でも、現代の私たちの生活に照らし合わせてみると、意外と身近なテーマが含まれていることに気づくはずです。「私には関係ないわ」と思っている方こそ、新しい発見があるかもしれませんよ。
裁判や喧嘩だけではない意味

「争事」と聞くと、多くの人は裁判所での法的な争いや、警察沙汰になるような大きな喧嘩といった、かなり深刻なトラブルを想像するのではないでしょうか。
確かに、おみくじの原型が作られた江戸時代以前の社会において、「争い」といえば、村同士の水利権をめぐる争いや、土地の境界線をめぐる訴訟など、生活の基盤そのものを揺るがすような重大な事案を指していました。当時の人々にとって、争事の吉凶はまさに死活問題だったのです。
しかし、時代は流れ、現代における「争事」は、もっとライトで広い意味で解釈されるようになっています。

例えば、以下のようなケースも「争事」の範疇に含まれると考えられます。
- 人間関係の摩擦:友人とのちょっとした口論、意見の食い違い、ご近所トラブル。
- デジタルな争い:SNS上での言い争い、炎上、マウントの取り合い。
- 組織内の対立:職場での派閥争い、意見が対立する会議、権利の主張。
もっと言えば、他者との物理的な争いだけではありません。「ダイエット中なのに甘いものを食べたい」「やらなきゃいけないのにサボりたい」といった、自分自身との戦い(葛藤)を指していることも実はとても多いのです。
「最近、誰とも喧嘩なんてしてないし、平和そのものだけど…?」という場合は、ぜひご自身の内面に目を向けてみてください。「自分の弱さに勝てるか」「誘惑に打ち勝てるか」という、心の修行のようなメッセージとして受け取ると、ハッとする気づきが得られることがありますよ。
受験は争事ではなく学問で見よう

受験生の皆さんや、その親御さんにとって、志望校に合格するかどうかは、人生をかけた「戦い」そのものですよね。ライバルたちと点数を競い合うわけですから、ついつい「争事」の欄を見て、「勝つ」とあれば喜び、「負ける」とあれば落ち込んでしまう…そんな経験がある方も多いと思います。
ですが、基本的におみくじにおいて、受験や資格試験、習い事の昇級試験などの結果は、「学問」や「学業」の項目で判断するのがセオリーです。
なぜなら、多くの試験は「他者を倒すこと」が主目的ではなく、「自分自身が合格ラインに達しているか」「知識を習得できているか」という、自己研鑽の結果が問われるものだからです。
ただし、例外もあります。
例えば、オーディションのように「たった1つの椅子を100人で奪い合う」ような状況や、スポーツ推薦の枠を巡る競争など、「相手との直接対決」の要素が極めて強い場合は、「争事」の結果もあわせて参考にすると良いでしょう。
もし、学問の欄には「安心して勉学せよ」とあるのに、争事の欄に「負ける」とあった場合、どう解釈すればいいのでしょうか?
私ならこう読み解きます。「合格する実力はあるけれど、他人と比較して焦ったり、ライバルを意識しすぎてペースを乱したりすると失敗するよ。自分自身に集中しなさい」と。
おみくじは、複数の項目を掛け合わせることで、より立体的で深いアドバイスをくれるものなんです。
恋愛や待ち人と争事の違い

恋愛もまた、時としてライバルとの激しい競争になることがあります。「好きな人を振り向かせたいけれど、強力な恋敵がいる」「パートナーを誰かに奪われそう」といった状況では、まさに心が戦場のような状態になってしまいますよね。そんな時、争事の欄が気になって仕方がないのは、とても自然なことです。
しかし、恋愛に関する悩みは、やはり「恋愛」や「縁談」、そして「待ち人」の項目を見るのが本筋であることを忘れないでください。
特に「待ち人」という項目は、誤解されがちですが、「恋人」だけを指す言葉ではありません。「あなたの人生を良い方向に導いてくれるキーパーソン」全般を指します。もちろん、それが将来のパートナーであることも多いですが、恩師や親友、あるいは仕事のパートナーであることもあります。
もしもあなたが今、三角関係などのドロドロとしたトラブルの渦中にいるなら、「争事」の言葉も重要なヒントになります。
例えば「争事:勝つ」であれば、ライバルに勝って交際できるかもしれません。でも、もし同時に「恋愛:悪し」「縁談:調わず」と出ていたらどうでしょう?「ライバルには勝てるけれど、その結果得られる関係はあなたを幸せにしないかもしれない」という、神様からの鋭い警告かもしれません。
純粋に相手との心の距離を縮めたい、幸せな関係を築きたいと願うのであれば、誰かと争うこと(争事)よりも、あなた自身の「誠実さ」や「タイミング」を説く他の項目を重視したほうが、結果的に幸せへの近道になることが多いですよ。
商売の競争は争事にも含まれる

お仕事をしていると、避けて通れないのが「競争」です。
「商売」の項目は、主に利益が出るか、取引がスムーズにいくか、在庫がさばけるかといった「経済的な成果」を示します。一方で、ビジネスシーンには「他者との勝ち負け」が明確に出る場面も多々ありますよね。
例えば、以下のようなシチュエーションでは、「商売」だけでなく「争事」のメッセージが強く影響してきます。
- コンペ・入札:数社の中から1社だけが選ばれる相見積もり。
- 出世レース:同期との昇進争いや、ポストの奪い合い。
- 訴訟リスク:特許侵害や契約トラブルなど、法務的な問題。
ここでも、項目の「合わせ読み」が役に立ちます。
例えば、「商売:利益あり」と書かれているのに、「争事:負ける」となっていた場合。これは一見矛盾しているように見えますが、こんな風に解釈できませんか?
「今回のコンペには負けてしまう(受注できない)かもしれない。でも、もし受注していたら赤字になるような案件だったり、現場が疲弊したりするリスクがあった。結果的に、負けたことで会社としての利益やリソースは守られる」
あるいは、「無理な値引き合戦(争い)からは撤退しなさい。独自の価値で勝負すれば利益は出る」というアドバイスかもしれません。
ビジネスの世界では、目先の勝ち負けが全てではありません。「負けるが勝ち」という言葉があるように、争事の結果を冷静に分析することで、長期的な繁栄につなげることができるのです。
失せ物が争いの原因になる場合

「失せ物」は、無くした物がどこにあるか、見つかるかどうかを占う項目ですが、これが「争事」と密接にリンクするケースがあります。
単に家の中でスマホを無くした、という程度なら争いにはなりませんが、権利や財産に関わる喪失は、往々にしてトラブルの火種になります。
例えば、友人に貸したお金が返ってこない、大切な物を誰かに壊された、あるいは盗難被害に遭ったといったケースです。
この場合、失せ物が「出る」「高いところより出る」となっていれば、争いや交渉を通じて、失った権利や物品が回復する可能性が読み取れます。諦めずに話し合う価値はあるでしょう。
逆に、失せ物が「出ず」「低きにあり」などで、争事も「不利」「負ける」とあった場合。
これは非常に悔しいですが、「争って取り戻そうとしても、時間と労力を浪費するだけで、結局戻ってこない可能性が高い」というシビアな現実を示唆しています。
執筆者の視点

「戻らないもの」に執着して、心の中に怒りの炎を燃やし続けるのは、とてもエネルギーを使いますよね。おみくじが「出ず」と告げるのは、「もうその執着は手放して、新しい幸せを入れるためのスペースを空けなさい」という、神様からの優しさなのかもしれません。「損切り」もまた、人生を豊かにする一つの知恵と言えるでしょう。
おみくじの争事とは?勝つと負ける

さて、ここからはおみくじの「争事」欄に書かれている具体的な言葉、「勝つ」「負ける」の意味について深掘りしていきましょう。

一見すると「勝ち=良いこと」「負け=悪いこと」という単純な結果に見えますが、おみくじの世界はそんなに浅いものではありません。そこには、人生をより良く生きるための深い哲学や、処世術が隠されているのです。
単語のインパクトだけに惑わされず、その奥にあるメッセージを一緒に受け取っていきましょう。
勝つが控えるの深いメッセージ

おみくじの中で、最も解釈が難しく、かつ深い意味を持つのが「勝つが控えるがよし」といった表現です。
これを読んだ時、「えっ?勝てるなら、ガンガン攻めて勝ってしまったほうがいいんじゃないの?」と不思議に思う方も多いはずです。
しかし、ここには「力でねじ伏せれば勝つことはできるが、それによって失うものが大きすぎる」という警告が含まれています。
例えば、裁判や口論で相手を完全に論破し、ぐうの音も出ないほど打ち負かしたとします。確かに「勝負」には勝ったかもしれません。でも、その結果、相手から深い恨みを買ったり、周囲から「冷酷な人だ」と敬遠されたり、職場の人間関係がギスギスして居心地が悪くなったりしたらどうでしょうか?
それは、長い人生の視点で見れば、決して「勝利」とは言えないかもしれません。
また、「勝つ」と確信した瞬間に生まれる「慢心」や「油断」を戒めている場合もあります。
この言葉が出たときは、「勝てるだけの力や正義が自分にある時こそ、あえて一歩引き、相手の顔を立てたり、和解の道を探ったりすること」が求められています。その謙虚さが、あなたの徳を高め、結果として周りからの信頼という本当の勝利をもたらしてくれるはずです。
負けるが出た時の正しい捉え方

おみくじを開いて「負ける」という文字が目に飛び込んできたら、誰でもショックを受けますし、落ち込んでしまいますよね。「ああ、もうダメなんだ」と、挑戦する前から諦めたくなる気持ちも分かります。
でも、ここでお伝えしたいのは、おみくじにおける「負ける」を「決定した未来」として捉えないでほしい、ということです。
おみくじは予言書ではなく、あくまで「今のままの状態・心持ちで進んだ場合のシミュレーション」です。
つまり、「今のあなたの準備不足のまま挑めば負けますよ」「今の強引なやり方では反発を招きますよ」「そもそも、その争い自体があなたにとってプラスになりませんよ」という、現状分析や注意喚起であることがほとんどなのです。
「負ける」と出たら、それは「止まれ」の信号ではなく、「地図を見直せ」の合図です。
- 準備は万全か、もう一度確認する。
- 真正面からぶつかるのではなく、別のルート(交渉や妥協)を探る。
- 今は時期尚早と判断し、力を蓄える期間に充てる。
このように、行動を変えるきっかけにすることで、「負ける」という未来を回避し、運命を自分の手で書き換えていくことができます。
「教えてくれてありがとう、対策を立てるね」と、おみくじにお礼を言えるくらいの心の余裕を持てたら素敵ですね。
凶の争事は諦めるべきなのか

全体運が「凶」で、さらに争事の欄にも「悪し」「叶わず」といったネガティブな言葉が並んでいると、全てを投げ出したくなるかもしれません。「私はなんて運が悪いんだろう…」と。
ですが、古来よりおみくじの「凶」は、決して忌み嫌うべきものではありません。
「凶」は「これ以上悪くならない底の状態」を表しており、あとは運気が上昇していくだけの「転換点」とも考えられています。また、凶が出るということは、神様があなたに「今はとにかく慎重に行動しなさい」と、強い守護のメッセージを送ってくれている証拠でもあるのです。
凶が出た時の争事は、まさに「デトックス(浄化)」のタイミングです。
無理に外の世界と戦って結果を出そうとするのではなく、自分の内面を整え、お部屋を掃除し、体調を管理し、誠実に日々を過ごす。そうやって「守り」を固めることで、災いを遠ざけることができます。
「今は冬の時期。じっと耐えて根を伸ばし、春を待つ時」と割り切ってしまえば、不思議と焦りは消え、心も軽くなるものです。凶を引いた人ほど、その後の行動次第で大きな飛躍を遂げることがあるんですよ。
| 結果 | 争事における基本的な捉え方・アドバイス |
|---|---|
| 大吉・吉 | 運気は味方しています。ただし「実力+運」であることを忘れず、周囲への感謝と謙虚さを持つことで、勝利がより確実になります。 |
| 中吉・小吉 | 悪くはありませんが、油断は禁物。「少しの工夫」や「努力」が結果を左右します。現状維持ではなく、もうひと踏ん張りが必要です。 |
| 末吉・凶 | 今は忍耐の時。強引な行動は裏目に出やすいので、静観するか、和解の道を探るのが賢明。守りを固めて時を待ちましょう。 |
騒ぐな等の言葉が示す処世術

争事の欄には、単純な勝敗以外にも「騒ぐな」「静かにせよ」「人に任せよ」といった、非常に具体的な行動指針が書かれていることがあります。これらは、現代社会を生きる私たちにとっても、驚くほど実践的なアドバイスとなります。
「騒ぐな」「静かにせよ」
これは、感情的になって周囲に言いふらしたり、SNSで不満や悪口をぶちまけたりすることで、状況が泥沼化することを強く戒めています。
現代では、一時の感情で投稿した内容がデジタルタトゥーとして残り、後々まで自分の足を引っ張ることがあります。「沈黙は金」という言葉があるように、争いの最中こそ、口を慎み、冷静沈着に振る舞うことが、身を守る最大の武器になります。
「人に任せよ」
この言葉がある場合は、自分一人で解決しようと固執してはいけません。
あなたの視点は今、感情によって曇っている可能性があります。信頼できる友人、上司、あるいは弁護士などの専門家といった「第三者」に間に入ってもらうことで、驚くほどスムーズに解決へ向かうことを示唆しています。
「助けを求めること」は弱さではありません。むしろ、適切な助言を受け入れる柔軟さこそが、問題を解決に導く鍵となるのです。
まとめ:おみくじの争事とは心の指針

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
おみくじの「争事」は、単に「勝てるか、負けるか」という結果を予言するものではないことが、お分かりいただけたでしょうか。
それは、あなたが今直面している、あるいはこれから直面するかもしれない課題に対して、「どのような心持ちで向き合えばよいか」「どう行動すれば最善の道が開けるのか」を教えてくれる、人生の羅針盤のようなものです。
良い結果が出れば、それを自信に変えて前進する。悪い結果が出れば、それを「転ばぬ先の杖」として、慎重に足元を固める。
そうやっておみくじの言葉を上手に活用することで、どんな争事もトラブルも、あなた自身を人間として一回り大きく成長させるための糧に変えていけるはずです。
もしおみくじの結果に納得がいかない時は、日を改めて引き直すことも決して悪いことではありません。大切なのは、あなたの心が「よし、これで頑張ろう」と前向きになれるかどうかです。
結果に一喜一憂しすぎず、深呼吸して。おみくじの言葉を胸に、あなたらしい選択を積み重ねていってくださいね。
この森から、あなたの平穏と幸せを心よりお祈りしています。





コメント